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腎臓・膀胱バイパス術セミナー

[2018年10月31日]

こんにちは。獣医師の平松です。先月は日曜日にお休みをいただき、日本大学湘南キャンパスにて外科実習を受けて参りました。今回は泌尿器外科の分野で、SUBシステムと呼ばれる特殊な装置を使った腎臓・膀胱バイパス術の講義・実習でした。

↑ 年季の入った日大の表札。構内はかなり広く、その一角にある日大附属動物病院のとなりの実習棟が会場となっていました。

↑ 講義の様子。この手術は、主に尿管結石や腫瘍などで尿管が詰まり、腎臓から作られた尿が膀胱へ流れずに腎臓が尿でパンパンになってしまう水腎・水尿管と呼ばれる病態に対し、腎臓から膀胱へ尿管を使わずに特殊なカテーテルでパイパスさせる方法です。

↑ 今回は上画像のような腎臓のモデルを使用し、実習を行いました。この腎臓モデルは透明なので、挿入した針やカテーテルが、腎臓のどの位置へ設置されたか分かるようになっていて、理解を深めるのに役立ちます。

実際の手術では、もちろん腎臓は透明ではなく出血もあり、実習よりは実戦の方が難易度は格段に高くなる訳ですが、このように日頃からトレーニングを積んでイメージを掴んでおくことで、実戦での成功率も高まります。

尿管が詰まることで起こる水腎・水尿管症に対しては、SUBシステムを使った腎臓・膀胱バイパス術の他に、尿管を直接切開して結石を摘出し、縫合する方法や、尿管ステントを尿管内に設置する方法、尿管結石を切開・摘出後、縫わずにアクティブドレーンを設置し切開創が自然に閉じるのを待つ方法などがあります。しかし、どの方法も完璧ではなく、獣医師はその都度、症例にとって一番良いと思われる方法を選択していく必要があります。

↑ 画像向かって右が、今回の講義・実習で指導して頂いた日大獣医外科学研究室教授の浅野先生です。今回の実習も修了証を発行していただき、記念撮影もさせてもらいました。今後もこのような講義・実習に積極的に参加し、必要な時に必要な治療がすぐ行えるよう、研鑽を積んで参りたいと思います。

獣医師 平松