û

メニュー


新しい内視鏡が欲しい件

[2023年02月24日]

こんにちは。獣医師の平松です。梨の木どうぶつ病院では、消化管内視鏡という設備が入っており、消化管疾患や胃内異物の摘出などで活躍しております。

動物用内視鏡VES

↑ 梨の木どうぶつ病院で使用している動物用消化管内視鏡VES。こちらの内視鏡は2015年に、使われていない中古の内視鏡があるので使いますか?と医療機器メーカーさんから連絡を頂き、タダで頂いたものです。以降7年以上が経過していますが、現在に至るまで数々の消化管疾患の診断に役立ってくれておりました。

しかし、中古で手に入れた内視鏡を7年も使っているため、手元のダイヤルが固くなってきました。また、元々画像を残す機能に不具合があったため、内視鏡画像を飼い主さんに見せるには、画面に映った画像をスマホなどで撮る必要があり、上画像のように画面が一部黒くなってしまったりして、なかなか綺麗な画像をお見せできずにおりました。

もう古い機種のため、メーカーからも壊れたら終わりですよと言われており、そろそろ限界を迎えようとしております。

そこで今回、新しい内視鏡を導入すべく、医療機器メーカーさんに相談をしました。一番欲しかった内視鏡は、現在使っているVESの上位機種「VES3」です。

動物用内視鏡VES3

こちらのVES3はかなり小型化されており、モニターも高精度の液晶画面となっております。内視鏡カメラの手元で様々な操作ができ、画像保存や動画保存などももちろんワンタッチで出来ます。カメラの解像度も相当良いようです。

しかし、製造販売元のオリンパスが動物医療機器の取り扱いを終了してしまい、新品のVES3はもう手に入らないようです。オリンパスの動物用内視鏡を手に入れるには、中古品を探すしかありません。

それならこの際、人間用の消化管内視鏡はどうかと思い、医療機器メーカーさんに聞いてみました。人間用では腫瘍診断のためのNBI(狭帯域光観察)と呼ばれる紫と緑の特殊な光を当てることで粘膜毛細血管のパターンを解読し、腫瘍の早期発見ができる特殊な機能が付いています。しかし、NBIは動物医療ではまだ一般的ではなく、このような機能が標準装備されている人間用消化管内視鏡は、導入に少なくとも700万円以上かかるようです。

人医療の消化管内視鏡

どうにかしてVES3の中古品を探すしかないかな、と考えていましたが、医療機器メーカーさんから意外な提案がありました。実は3ヶ月後くらいに閉院予定の動物病院があるのですが、そこで今梨の木さんがつかっているのと同じ機種の内視鏡もあるので、カメラの方だけ使いますか?とのことでした。

現在、一番不便を感じているのはカメラのダイヤルの動きが悪いという点であったため、カメラだけ交換し、モニターはそのまま使い続けるのは確かにアリです。

というわけで、上位機種を導入するのは一旦中止し、今使っているVESをさらに使い倒すことになりました。少し気になっているのは、その閉院予定の動物病院からやってくる内視鏡カメラは、またタダで頂けるのかしら…、ということです。

首を長くして待ちたいと思います。

獣医師 平松