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熱帯魚の研究・コケ対策

[2021年12月14日]

こんにちは。獣医師の平松です。今回は久々に熱帯魚の研究報告で、水槽のガラス面や水草などに生えたコケの対策について書きたいと思います。

水槽を立ち上げて1ヶ月ほどすると、綺麗だった水草や水槽ガラス面に、だんだん緑色のコケが生えてきて見栄えが悪くなってきました。

↑ ガラス面や水草に緑色のコケが付着し、ボヤーっとした様子の水槽。こうなると熱帯魚を観察するどころではありません。このようなコケは、おそらくアオミドロなどの緑藻の類と思われます。原因としては、濾過能力不足、光量が強すぎる、ライトを付けている時間が長すぎる、餌の量が多すぎて水質が富栄養になっている、導入した水草にコケが付着していた、などの理由が考えられます。

後から導入したアマゾンフロッグピッドの根には、最初からコケがかなり付着していたため、これも一つの大きな原因と考えられました。しかし他にも思い当たることはあり、原因を除去すべく、餌の量を減らし、ライトの点灯時間を8時間以内とし、また濾過装置を自作のものから思い切って外部濾過に切り替えました。

そして、秘密兵器の投入です。まずは第一の秘密兵器がコチラ。↓↓↓

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こちらがコケ取り生体として有名な、オトシンクルスです。ガラス面に張り付いて、付着したコケをもぐもぐ食べてくれます。

そして、第二の秘密兵器がコチラ。↓↓↓

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こちらもコケ取り生体として非常に良い働きをすることで有名な、ヤマトヌマエビです。このエビは水草などに付着したヒゲ状のコケを、手(足?)を使ってつまつま上手に食べてくれます。

そして、第三の秘密兵器がコチラ。↓↓↓

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こちらはミックス・モーリーという卵胎生メダカで、水草に生えたヒゲ状のコケをブチブチ引きちぎって食べてくれます。見た目は可愛いのですが、すごい大食漢で頼りになります。

しかし、このミックス・モーリーにはちょっと問題もあり、コケと一緒にアマゾンフロッグピッドの根まで食べてしまいました。

↑ アマゾンフロッグピッドを水面上から見た葉っぱの様子。この浮草は放っておいてもどんどん増え、10月には水面2/3を埋め尽くすまでになりました。しかし、ミックス・モーリーの導入により、ちょっとずつ根をかじられてしまい、11月中旬にはなんと全滅してしまいました。無念です!

さて、これらコケ取り生体の活躍により、ずいぶん水槽がキレになりましたが、ガラス面の緑色のコケは中々頑固で、第4の秘密兵器を使いました。コチラ。↓↓↓

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スクレーパーによる物理除去です。このスクレーパーは先端がカミソリになっており、生体に触れないよう細心の注意が必要ですが、面白いようにガラス面のコケが取れました。

↑ 様々な対策により、だいぶ綺麗になった水槽です。完全にコケをこそぎ取ってしまうと、コケ取り生体の餌がなくなってしまうかなと思い、コケはほどほどに残しました。

これでコケ問題はある程度解決したようで、12月現在、たまにスクレーパーでガラス面のコケをこそぎ落とす程度で維持できています。そろそろ待合室にも熱帯魚水槽を置こうかと画策中ですが、かなり寒い季節になってきてしまったため、実現は春頃になりそうです。それまで、またちょこちょこと研究結果をブログに書きたいと思いますので、宜しければお付き合いくださいませ。

獣医師 平松