û

メニュー


電子カルテ導入の検討 その2

[2022年11月30日]

こんにちは。獣医師の平松です。前回に引き続き、電子カルテの話題です。内容が若干マニアックになっておりますが、宜しければお付き合い下さい。

カルテ棚がかさばる問題や書きこむ労力の問題があり、電子カルテの導入を検討しているわけなのですが、様々なメーカーが電子カルテのシステムを販売しており、どれが良いのか選択しなければなりません。

調べると、10種類ぐらいの電子カルテがあるようなのですが、全てを検討するのはかなり手間となるため、実際に使っているユーザー数が比較的多い3社に絞りました。

まず一つ目は、アーミックスです。アーミックスは動物病院の電子カルテの先駆けで、自分が知る限り一番歴史があります。といっても、ここ10数年の話ですが。動物病院で電子カルテが安定的に供給され始めたのは、本当にここ10年くらいの印象です。

アーミックス

アーミックスは自分の友人達の動物病院でも、一番使っている人が多く、使い勝手は良いようです。人によっては、字の感じ(フォント)が見づらく感じる人もいるようで、全体的なデザインも少し古いように感じるようです。平成初期〜中期感、という感じのようですね。

自分としてはデザインよりもまず使い勝手ですが、フォントが見づらいと感じるのはちょっと問題かなと。また、自分がもっぱら使っているOSはMacなのですが、基本的にWindowsのみの対応のようで、仮想環境によりMacでも一応使えるといった感じのようです。

様々な検査機器と連動でき、拡張性は良いようです。CTやMRIといった多くの検査モジュールを持った病院は、検査データ管理がしやすいようです。

さて、二つ目はアニレセクラウドです。アニレセクラウドはペット保険で有名なアニコムが運営しており、会計ソフトとしては動物病院シェアNo.1です。そのアニレセクラウドに電子カルテ機能をつけることができ、近年では特に力を入れているようです。

アニレセクラウド

会計ソフト機能は、電子カルテは使っていないけれどアニレセは使っているという病院はかなり多いです。ほとんどの病院がそうかもしれません。病院スタッフも、アニレセクラウドなら普段から使っているため、電子カルテ機能が追加されても、それほどの混乱はないと思われます。

こちらはMacにも対応しており、月額費用も比較的安いようです。実際使っている友人の評判もまぁ悪くはないよといった感じですが、友人によってはiPadでの使用感はイマイチだったとの意見もありました。操作環境、端末によっても使い勝手が左右されるのかもしれません。

しかし、スムーズに電子カルテに移行したい自分としては、やはりアニレセクラウドが一番有力に感じております。

さて最後の三つ目は、ブレイナーズです。ブレイナーズは、近年登場した比較的新しい電子カルテシステムで、動物病院とペットオーナーとの絆を深めるシステムと標榜しています。

ブレイナーズ

絆を深めるとは、具体的には病院から飼い主さんへの案内であったり、経営戦略を立てるためのデータ管理機能のことを指しているようです。正直、今のところ自分が必要とはしていない機能なのですが、実際に使っている人の話によると、iPadに直接タッチペンで書き込める機能が秀逸らしく、電子カルテとしての機能もとても良いようです。

しかし噂によると、ブレイナーズは月額費用が比較的高く、しかも現在改修中とのことで、新規の受付が止まっているかもしれません。

以上の3社を検討してみたいと思っております。どの電子カルテも、最近はクラウドに安全にデータ管理されるため、データが全部消えてしまったということがなく、複数の端末で使用可能というのが良いところです。

使用感は、人によってまちまちといった印象を受けますので、やはりデモを行なって自分好みのシステムを探すのが一番ですね。今後はデモでの使用感など確認しながら、最終的にどこのシステムを導入するのか、決定したいと思います。

まぁ自分の友人の一人は、どれも気に入らないと言って、自分オリジナルの電子カルテを作ったという人もいましたが…。そんなこと出来るんですね。すごいです。

獣医師 平松