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カエリウム その3

[2022年01月11日]

こんにちは。獣医師の平松です。前回、前々回とカエリウムについて簡単に解説しました。ちょっと引っ張りましたが、今回はカエリウム製作過程を紹介します。

↑ まずは上画像のように40cm水槽に底面フィルターを敷きました。なるべく水槽全面に敷けるように組み、この上に砂利を敷くことになります。右奥の筒状の黒いパイプにエアーポンプや水中モーターを繋ぐことで、底面に敷いた黒いフィルター全面からパイプに向かって水が吸われ、水が循環する仕組みです。

↑ 次に植物を植えるスペースやカエルの居住スペース、循環ポンプを入れるためのスペースなどをセパレートするボックスを作ります。これらのボックスは、ウレタンシートや発泡スチロールシートを買ってきて、一つ一つカッターで切って接着剤で貼り付けて作製しました。これがもう本当に超大変でした。

ウレタンや発泡スチロールをくっつけるのに、まずは生体に対し安全性の高いアクアリウム用の接着剤を使用しましたが、これが白くなるばかりで全然くっつかず、軽い力でパリッと外れてしまい、いくつものボックスを無駄にしてしまいました。

最終的に、グルーガンという樹脂を溶かしながらくっ付けるタイプの接着剤がうまくいき、そこからまた作業を進めることができました。1枚目の底面フィルターの画像の、左端にある白いドリルみたいなのがグルーガンです。

↑ 作ったボックスを水槽内に設置した様子。

↑ ボックスを入れた水槽を上から見た様子です。このに①〜⑥の区画に分けました。

①カエルの居住区には、フロッグソイルを敷きます。ツノガエルはあまり動き回る習性がないため、広いスペースは必要ありませんが多少は動き回れるだけのスペースを用意しました。

このカエル居住区は、ソイルの丸洗いや交換がしやすいように取り外しできるようにしました。こちらはアクリルのペーパータオルケースの下部を、ハンダゴテで穴を空けて作製しました。

②湧水の岩場では、ボックス内部に底面フィルターと循環ポンプを繋ぐパイプがしこんであります。

 

②湧水の岩場の内部と、③のスロープをどけて④循環ポンプ格納庫の内部を上から見た様子。底面フィルターの黒いパイプからホースを接続し、さらに④の格納庫にある循環ポンプ(投げ込み式フィルター)と接続した様子。この循環ポンプから、さらにエアーチューブを4本接続し、岩場の上や植栽スペースに水が行くようチューブを配置します。

水の流れとしては、水槽ほぼ全面に敷かれた底面フィルターから水が吸われ、パイプ・ホースを伝って循環ポンプ(投げ込み式フィルター)に流入し、そしてエアーチューブを伝って岩場や植栽スペース、水場へと水が帰ってくるという流れになります。底面式フィルターの上に敷いた砂利やソイル、そして循環ポンプ内のろ材が濾過フィルターとしての役割を果たし、アンモニアなどの有害物質を除去します。

④の格納庫には、水中ヒーターも格納します。

⑤水場は水深10cm程度の池のような場所になり、ここで水生生物を育成します。

⑥植栽スペースは、①カエル居住区を取り囲むように配置しました。

↑ こちらは水槽底面に砂利を敷き、ボックス表面に溶岩石を貼り付けた様子です。この岩場や石畳の箇所は、一つ一つ石をグルーガンで貼り付けております。隙間がなるべくないように一つずつ接着していくため、相当骨の折れる作業でした。しかしグルーガンのお陰で溶岩石とユニットがすぐくっついてくれたので、サクサク作業がすすみ良かったです。

↑ 植栽スペースなどに植える植物です。アクアテラリウム にあったシダ植物のトキワシノブ、ハイゴケやヒノキゴケなどの苔を用意しました。

↑ ボックスにさらに溶岩石をくっつけ、岩場や植栽スペースに苔テラリウム用の土を入れ、用意した植物を植栽した様子です。かなりそれっぽくなって参りました。この時点で相当疲労困憊なのですが、やっとここまできました。

最後に水槽に水を入れ流木を設置し、完成した様子が、コチラ!!↓↓↓

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完成!!構想から道具を用意して少しずつ作業を進めていき、なんだかんだで2ヶ月ぐらいかかりました。正直、めちゃくちゃ大変でしたが、要領が分かってくると楽しくなり、最後の方はかなりのスピードで進みました。

あとは植物をしっかり育てて、水場にはエビやコリドラスなどの小型のなまずなどを入れていき、春にはいよいよカエルを迎え入れたいと思います。

カエルを迎え入れた暁には、またブログで紹介したいと思います。それまでにまた時々、カエリウムの植物や動物の様子を紹介させて頂くことがあるかもしれませんが、宜しければお付き合い頂けると幸いです。

獣医師 平松