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アレルギー性皮膚炎・皮膚糸状菌症

[2014年06月10日]

アレルギー性皮膚炎・皮膚糸状菌症

症例は9歳、柴犬のオス。皮膚の痒み・脱毛があり、他院の治療を受けたが改善が認められないかったため、セカンドオピニオンを求めて当院を受診しました。

症状の出方や犬種、諸検査の結果より、アレルギー性皮膚炎が疑われました。そのため飼い主様と治療方針を相談し、食事療法と消炎治療・抗生剤治療を開始することとしました。その結果、痒みや脱毛などの皮膚症状は改善し、食事や投薬を調節しながら6ヶ月ほど良好に推移しました。しかし、その後再び皮膚症状が悪化しました。

顔面周囲、四肢の脱毛・発赤が認められ、痒みも強く認められたため、改めて皮膚検査を行ったところ、皮膚糸状菌症を併発していることが判明しました。そこで抗真菌剤の投薬を開始し、低アレルギー食の見直しも同時に行いました。

↑ 皮膚糸状菌の検査。被毛を黄色い培地に植え込み、培地の色が黄色から赤色へ変化した場合、皮膚糸状菌陽性と判断します。

投薬と食事療法の見直しにより、皮膚症状は再び改善が認められました。

皮膚病は細菌性・真菌性・アレルギー性・内分泌性・皮膚腫瘍・栄養の問題など、その原因は多岐に渡ります。検査結果や治療反応を考慮し、飼い主様と治療内容を相談しながら、辛抱強く治療を継続していく必要があります。