骨肉腫
[2013年10月25日]
骨肉腫
症例は8歳齢のパピヨン。最近、右後肢が腫れてきて、痛そうにしているとの事で来院されました。以下の画像は、右後肢の様子です。
触診では、右後肢の脛骨(スネの骨)に疼痛があり、矢印で示した足首にちかい部分がかなり腫脹していました。
レントゲン検査では、右脛骨の全域に渡って異常な骨破壊像・骨増殖像が認められました。病変は大腿骨や足首の骨にまでは拡大しておらず、脛骨のみに限局していました。そのため、骨の悪性腫瘍である骨肉腫が強く疑われました。
麻酔下で骨の生検を行い、病理検査を行った結果、骨肉腫と診断されました。
骨肉腫は悪性度が高く、発見された時には9割が既に転移しているとも言われています。本症例も、残念ながら既に転移している可能性が高いと考えられましたが、QOL(生活の質)の向上のため、断脚術が実施されました。
断脚後、三本足での生活にはなりますが、犬や猫は三本足でも上手に生活でき、ほとんど不便にはなりません。本症例も、痛い足がなくなったことで明らかに元気になり、食欲も旺盛になりました。