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手術器具自動洗浄機の導入

[2021年10月22日]

こんにちは。獣医師の平松です。今回は、手術器具自動洗浄機の紹介です。

手術で使う器具は様々な鉗子や剪刀、鑷子を始め、骨膜剥離子や骨把持鉗子といった特殊な整形外科器具など、多くの数量・種類があります。

鉗子ひとつ例に挙げても、モスキート、コッヘル、アリス、バブコック、バックハウス、ライトアングル、ドゥーレン骨鉗子、ポイント骨鉗子、ラレイ骨鉗子などなど、とても多くの種類があり、それぞれの鉗子が2本から多いもので20本ぐらいあります。

なぜこれだけ手術器具の種類・数があるのかといいうと、組織を切ったり把持したりするにも、組織の硬さや構造によって、適切な器具を使う必要があるからです。不適切な器具で組織を掴んでしまったり切ってしまうと、うまく組織がつかめなかったり組織が余計なダメージを受けることがあります。また、逆に硬い組織を繊細な器具で操作してしまうと、今度は器具が壊れてしまいます。そのため、様々な組織に合わせた数多くの器具が存在するというわけです。

さてそんな数多くの手術器具ですが、手術後には清潔を保つため、滅菌器で器具の滅菌をする前に洗剤などを使って器具を洗浄する必要があります。これまでは看護師や獣医師がブラシやスポンジを使って手で洗浄していました。しかし量がとても多く、完璧にキレイにするにはとても多くの手間がかかりました。

そこで先日、自動で器具を洗浄してくれる洗浄機を導入しました。その名も、ウォッシャーディスインフェクターです。設置している時の様子が、コチラ。↓↓↓

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結構、大型の装置になります。水道屋さんや電気屋さんに器具を置けるよう排水や電圧変更をしてもらい、設置しました。そして設置された様子が、コチラ。↓↓↓

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おお!なかなかの存在感です!

元々このスペースには、オートクレーブと呼ばれる手術器具の滅菌器が置いてありましたが、それは別の部屋へ移動し、こちらの手術器具自動洗浄機を置くことにしました。

↑ 扉を開けるとこのようになっており、このステンレスのバスケットに器具を入れ、扉を閉めて洗浄ボタンを押すと、約30分で器具の洗浄が終わります。

一般的な自動食器洗い機と少し似た様子なのですが、こちらの洗浄機は80度の熱湯と非常に強い水圧で洗浄するのと、蛋白分解酵素が入った洗浄液を使用することで、器具に残存した組織を完璧に落としてくれるという優れた機能を持っております。またこうした機器を使うことで、人為的な洗浄不足が起こるリスクが全くなくなり、より安心して手術に臨むことができます。

これで器具洗いという重労働から看護師や獣医師は解放され、より動物の看護・治療に注力できるようになりました。今後もこのような医療機器は積極的に導入し、より安全安心な医療環境を、そしてスタッフにとっても働きやすい環境を整えて行ければと思います。

獣医師 平松