内視鏡による食道内異物摘出
[2016年06月06日]
内視鏡による食道内異物摘出
症例は10ヵ月齢のトイ・プードル、避妊メス。リンゴを塊で飲み込んでしまい、以降、白い泡を何回も吐いているとのことで来院しました。以下は初診時のレントゲン検査所見です。
食道内に飲み込んだリンゴと思われる陰影が確認され(黒矢印)、食道拡張を起こしていました。また、胃が重度に拡張しており(白矢印)、食道にリンゴが詰まっていることで空気を多量に飲み込んでいることが疑われました。
そこで、内視鏡によるリンゴの摘出を行ないました。
食道内に白矢印で示したようなリンゴの塊が確認されました。リンゴは内視鏡鉗子を用いて砕き、大きい物は摘出し、細かい物は胃内に押し込み、処置を終了しました。
処置後、本症例は元気・食欲もすぐに回復し、退院となりました。
食道内異物は、そのうち胃に流れるだろうと放置すると、重度の食道炎から食道拡張・食道憩室が発生し、重大な後遺症を残すことがあります。そのため、異常を発見した場合は、すぐに診断・処置をすることが大切です。