û

メニュー


待合の椅子秘話

[2013年06月18日]

こんにちは。獣医師の平松です。今回は待合室に設置してある椅子についての裏話です。

待合室の椅子が、プラスチック製のものから木製のベンチへ一部替えられていたことに気が付かれたでしょうか。これにはワケがあります。

梨の木どうぶつ病院には、随所に僕のこだわりが盛り込まれているのですが、待合室の椅子はかなりのこだわりがありました。動物病院というと、十分な説明や検査のために、どうしてもお待ちいただくことが多くなりがちです。

そのため、待合室はゆったりできるよう広めにとり、テレビモニターや音楽を使ってなるべくリラックスしてお待ちいただけるよう工夫しました。

そして、椅子もなるべく楽に座っていられるものを選びました。プラスチック製のこの椅子は、開業前に色んな家具屋さんや雑貨屋さんに通い、僕が実際に座り続けた50個以上の椅子の中で、もっとも座り心地が良いと思ったものでした。北欧家具を銘うったこのプラスチック製の椅子。この椅子なら、よりゆったりとお待ちいただけるに違いない…!自信マンマンでした。

ところが、内覧会の日に僕の両親がこの椅子に座り、座り心地がちょっと悪いと指摘したのです。ば、ばかなっ!!そんな訳がない!!いくつもの椅子に座り、絶対に間違いのないものを選んだハズ。実際僕の友人は、この椅子の座り心地を絶賛していました。

しかし盲点がありました。椅子の座面の高さが、通常の椅子よりやや高かったのです。正直、椅子の座面の高さなんて、皆一緒だとばかり思っていました。しかし他の日本製の椅子と比べると、実際10cm近くも座面が高いことがわかりました。

そのため比較的背の高い友人は、きちんと足が着くので安定して座れたのですが、僕の両親の場合、この椅子に深く腰掛けてしまうと、足が少し浮いてしまい体が安定せず、座り心地が悪いものになってしまっていたのです。恐るべし北欧家具。

父からは更に、膝が痛い、疲れる、立っていた方がマシなどの心温まるご意見を賜り、僕は狼狽するばかりでした。すぐにでも椅子を交換することを検討しましたが、このプラスチック製の椅子にまだ未練があり、少しの間様子を見ることにしました。

しかし、座りずらそうな人が結構多いという結果に終わりました。僕の父は、これを予想していたと言わんばかりに、木製のベンチを既に用意しており、いそいそと交換したのでした。父の勢いは止まらず、全ての椅子を木製ベンチに替えようとしていたため、ちょっと待ってくれぃ!プラスチック製のこの椅子にももう一度チャンスを…!と懇願し、全とっかえは回避しました。

さて、そんな訳で、梨の木どうぶつ病院の待合室には現在、プラスチック製の椅子と木製ベンチの二種類の椅子が並んでいます。座面の高さが違いますが、どちらもお気に入りの一品です。是非、座り心地をお試しくださいませ。

獣医師 平松