上腕骨骨折
[2014年12月08日]
上腕骨骨折
症例は5ヶ月齢の未避妊メスの猫。キャットタワーから落下し、右前肢を着かなくなってしまったとのことで近医を受診しました。X線検査が行われ、右上腕骨骨折が確認されました。そのため、当院へ手術を行うために紹介来院されました。
以下は初診時のX線検査所見です。
上腕骨遠位部(二の腕の肘に近い部分)の骨折が確認されました。そこで飼い主様と相談の結果、手術による整復を行うこととしました。
以下は術中所見です。
肘の辺りから大きく突き出しているのが上腕骨の骨折端です。本症例は体重が2kgしかなく、骨もかなり細いため、骨や軟部組織の取り扱いは慎重を要します。
骨折整復後の術中所見です。K−ワイヤーと呼ばれる医療用ステンレスを使用し、骨折を整復しました。
以下は術後X線所見です。
術後は安静にしますが、骨形成を促すため患肢は少しずつ使用させる必要が有ります。成長期の動物の骨折の場合、金属が骨の成長を阻害しないよう、骨癒合が完了した後は抜去します。本症例も術後1ヶ月で金属を抜去しました。